ホームページ制作が対象となる補助金・助成金

ホームページ制作が対象となる補助金・助成金

このご時世、事業をしているからにはホームページが必須ですよね。できればわかりやすくてスタイリッシュで売上に貢献してくれるホームページを作りたいと思っている方も多いと思います。

しかし自分で本格的なホームページを作るのはなかなか難しいですし、かといって外注に出すとかなり高額になり、制作費やメンテナンスのコストが高くなってしまうと悩んでいる方も多いでしょう。
ホームページの制作については補助金や助成金をもらえる制度があります。

この記事で得られる情報
  • ホームページ制作の対象になる補助金の種類
  • 補助金をもらえる対象者と事業内容
  • 申請するためのスケジュールや注意事項
目次

ホームページ制作で支給される補助金・助成金とはどんなもの?

事業を行うにあたって、今日では国際的にもIT技術の活用が必要とされています。ですからITツールの導入やホームページの制作にあたっては、国や地方自治体が中小企業に対しても支援を行っています。

ホームページを制作するにあたっては補助金・助成金制度が設けられており、「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」のふたつの制度があります。

基本的には、「小規模事業者持続化補助金」がメインになりますが、このほかにも全国の地方自治体が提供する助成金、補助金制度があります。

助成金、補助金の対象は少し複雑で、対象になる事業者だけが申請することができます。そして支給される要件や支給される金額は制度ごとに異なりますし、単なるホームページ制作だけでは審査が通らないこともあります。

申請の際にはそれぞれの対象者や要件などの詳細を必ず確認して申請してください。

補助金制度の簡単まとめ

まず補助金制度はどんなものがあるか簡単にまとめておきます。詳細については一覧の下で説明していきます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、日本商工会議所が行う補助金制度です。対象となる事業者は「小規模事業者(20人以下の営利団体)」ですが、場合によっては「特定の要件を満たした特定非営利活動法人」も申し込めるケースもあります。
小規模事業者持続化補助金はホームページ制作をする際に補助してもらえるものですが、そのほかにも商品の販路拡大や生産性向上に関する事業についても補助してもらえるものです。

管轄:日本商工会議所
対象者:商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる「小規模事業者」及び、一定の要件を満たした特定非営利活動法人
補助される金額:<通常枠>必要経費の3分の2、最大50万円まで <特別枠>必要経費の3分の2、最大200万円まで
※参考サイト:商工会議所令和3年度補正予算小規模事業者持続化補助金 

IT導入補助金

もうひとつの補助金のIT導入補助金は、経済産業省が行っているものです。こちらも小規模事業者や中小企業を対象としています。IT導入補助金は2020年度から自社紹介用ホームページはITツールとして認められなくなりました。
予約システムがあるECサイトや、その他販促用ITツールや、会計システム、業務システムなど業務を効率的に回すためのITツールと関連して、ホームページも役立つものであれば、ホームページも対象になります。
今までは通常枠と呼ばれるA類型、B類型の二種類でしたが、2022年度はデジタル基盤導入類型が新たに設置されました。
「デジタル化基盤導入枠」という優先枠では、PC、タブレット、レジ等のハードウエアも対象となります。

管轄:経済産業省
対象者:中小企業・小規模事業者等
補助される金額:
A類型:補助率2分の1/補助額30万~150万円
B類型:補助率2分の1/補助額150万~450万円
デジタル基盤導入類型(1機能):補助率 4分の3/補助額5万~50万円
デジタル基盤導入類型(2機能以上):補助率 3分の2/補助額50万~350万円

※参考サイト IT補助金2022

     

地方自治体のホームページ作成費用補助金

ホームページ制作の費用については小規模事業者持続化補助金とIT導入補助金のほかに、地方自治体が補助してくれるケースもあります。
ですが小規模事業者持続化補助金と各自治体の補助金は併用することが認められておりません。ですから補助金を申請する場合は各々の支給条件、支給金額をよく調べてから、いずれかに申請することをおすすめします。

管轄:地方自治体
対象者:各自治体によって異なる
補助される金額:支給額の相場は数万〜数十万円ほどですが、支給要件などの詳細は自治体ごとに異なります。
※参考サイト:Jnet21中小企業ビジネス支援サイト

小規模事業者持続化補助金

では補助金制度について個別に説明していきます。
小規模事業者持続化補助金は、日本商工会議所が行っている、「小規模事業者」を対象とする補助金制度です。
現在は「通常枠」と「特別枠」の二種類があります。
小規模事業者持続化補助金は、ただ申請すればもらえるというものではありません。商工会議所の指導や助言を仰ぎながら、まず経営計画書、補助事業計画書、事業支援計画書などを作成して、審査を通過しなければもらうことはできません。

小規模事業者持続化補助金の対象になる業種とは?

先に補助金の対象となる「小規模事業者」とはどのようなものなのかを説明しておきます。
日本商工会議所が定義する小規模事業者の定義とは

業種人数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業は除く)常時使用する従業員の数が5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数が20人以下
製造業その他常時使用する従業員の数が20人以下

ということになります。
製造業その他の「その他」が気になるところですが、これは上に書かれている「商業・サービス業、宿泊業・娯楽業、製造業の定義に当てはめることが難しい事業のことで、具体的には建設業、運送業や、業種区分が異なる複数事業を経営しているなどの場合を指します。

小規模事業者持続化補助金の対象者は?

小規模事業者持続化補助金の補助対象者になるのは、

・会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社など)
・個人事業主(商工業者であること)
・一定の要件を満たした特定非営利活動法人

です。個人事業主でも対象となります。
逆に対象にならないのは、営利法人ではないもの、

・医療法人
・収去法人
・学校法人
・社会福祉法人

などで、医師、歯科医師、助産師なども対象外になります。
また、申請する時点で開業していない創業予定者、例えば開業届を出していても開業日が申請日よりも後になる場合などは対象外になってしまいます。
小規模事業者であることのほかにも対象となるための要件がありますので、申請する際には募集要項をよく確認してください。

※関連リンク
令和3年度小規模事業者持続化補助金

補助の対象になる事業内容は?

内容としては、販路開拓のための取り組みに関する活動で、

・新たな販促用PR(マスコミでの広告、ウェブサイトでの広告)
・新たな販促用チラシの作成、配布
・ネット販売システムの構築

などが補助対象になります。

小規模事業者持続化補助金はいくら補助してもらえるのか?

小規模事業者持続化補助金には、「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」の二種類があります。
小規模事業者持続化補助金の補助率と補助額は、

  • 〈通常枠〉の場合
    補助率:3分の2
    上限額:50万円
  • 〈特別枠〉の場合
    補助率:3分の2
    上限額:100~200万円

となっています。
もっとも、今年度から、ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額及び交付すべき補助金の額の確定時に認められる補
助金総額の1/4を上限となり、またウェブサイト関連費のみによる申請はできません

※参考資料:小規模事業者持続化補助金ハンドブック

したがって、ウェブサイト制作と共に、パンフレット・チラシ作成配布やその他設備費用と合わせて申請するとよいでしょう。

小規模事業者で、「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた場合や、2021年1月1日以降に創業した事業主については、支給額が50万円追加され、100万円補助されるケースもあります。
さらに小規模事業者持続化補助金は複数の事業者の共同事業でも申請することができ、連携する事業者数によっては50万円から1,000万円まで支給されることもあります。

小規模事業者持続化補助金の申請期間

小規模事業者持続化補助金の受付期間はおおむね4か月ごとに区切られて審査されることになっています。
今後のスケジュールは下記のようになっています。
申請する方はどの回で申請するかを決めておき、事前にきちんと準備しておくことをおすすめします。
結果は締め切り期限の1~2か月後に発表されるのが通例となっています。
現在公表されているのは下記のとおりです。(2022年7月23日現在)

<今後のスケジュール>
第9回〆切:2022年9月20日
第10回〆切:2022年12月上旬
第11回〆切:2023年2月下旬

小規模事業者持続化補助金を申請するにあたって気を付けること

小規模事業者持続化補助金を申請する際には、事業計画書などが必須となります。申請書類には商工会議所や商工会の捺印が必要となるため、アドバイスを受けながら準備を進めるとよいでしょう。場合によっては追加書類が必要となることもあります。
また、交付された補助金の用途を勝手に変更することはできません。配分や内容を変更したり一時中止や廃止をすることは禁じられています。ホームページ制作の用途として補助された広報費を別の目的で使用したい場合には商工会議所の承認が必要となります。
補助事業が終了したら事業に対しての実績報告書を提出する必要があります。経費に関する詳細資料、例えば発注書や請求書などは提出できるようにまとめておきましょう。

IT導入補助金

IT導入補助金は中小企業、小規模事業者を対象とした補助金です。それぞれの企業が経営課題やニーズに合ったITツールを導入することで業務効率化や売り上げアップをサポートする目的で行われている事業です。
IT導入補助金は2020年度から、原則としてホームページはITツールとして認められなくなりました。
もっとも、ECサイト制作や、その他販促用ITツールや、会計システム、業務システムなど業務を効率的に回すためのITツールと関連して、ホームページも役立つものであれば、ホームページも対象になります。
もともとは通常枠と呼ばれるA・B類型と呼ばれる2種類でしたが、2022年度は、特別枠としてデジタル基盤導入類型が新たに設置されました。「デジタル化基盤導入枠」という優先枠では、PC、タブレット、レジ等のハードウエアも対象となります。

IT導入補助金の対象者と業種は?

IT導入補助金の方が小規模事業者持続化補助金よりも他業種が対象になりますが、対象となる業種や事業規模は決められています。補助対象となるのは、中小企業、小規模事業者です。また、資本金の上限も設定されています。

【中小企業】
・製造業、建設業、運輸業:(常勤従業員数300人以下/資本金3億円以下)
・卸売業:(常勤従業員数100人以下/資本金1億円以下)
・サービス業:(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)(常勤従業員数100人以下/資本金5,000万円以下)
・小売業:(常勤従業員数50人以下/資本金5,000万円以下)
・ゴム製品製造業:(自動車または航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用メルト製造業を除く)(常勤従業員数900人以下/資本金3億円以下)
・ソフトウエア業又は情報処理サービス業:(常勤従業員数300人以下/資本金3億円以下)
・旅館業:(常勤従業員数200人以下/資本金5,000万円以下)
・その他業種(上記以外):(常勤従業員数300人以下/資本金3億円以下)

【その他の法人】
・医療法人・社会福祉法人・学校法人:(常勤従業員数300人以下)
・商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所:(常勤従業員数100人以下)
・中小企業支援法第2条第1項第4号に規定される中小企業団体:(主たる業種に記載の従業員規模)
・特別の法律によって設立された組合またはその連合会:(主たる業種に記載の従業員規模)
・財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益):(主たる業種に記載の従業員規模)
・特定非営利活動法人:(主たる業種に記載の従業員規模)

【小規模事業者】
・商業・サービス業:(宿泊業・娯楽業を除く)(常勤従業員数5人以下)
・サービス業のうち宿泊業・娯楽業:(常勤従業員数20人以下)
・製造業その他:(常勤従業員数20人以下)
※引用元:IT導入補助金2021

IT導入補助金の補助額について

IT導入補助金の補助率と補助額は種類によって異なり、下記の通りとなります。

A類型(補助率2分の1以内/補助額30万~150万円)
B類型(補助率2分の1以内/補助額150万~450万円)
デジタル基盤導入類型(1機能):補助率 4分の3/補助額5万~50万円
デジタル基盤導入類型(2機能以上):補助率 3分の2/補助額50万~350万円
※参考サイト IT補助金2022

IT導入補助金の申請に当たって注意すべき点

IT導入補助金でホームページを製作しようとする場合、気を付けていただきたいのは、単なる自社の紹介ページであったり、ブログ掲載などのホームページでは補助金対象にならないということです。
IT補助金は業務効率化や売上アップに直接関連する事業を対象としているからです。ですから、IT補助金でホームページを作成しようとする場合には、通販サイト、ECサイトや予約サイトなど、売上に直結したり業務を効率化するサイトである必要があります。
また、申請後、交付決定の連絡が来るより前に補助対象となる事業の契約、発注、支払いなどはできません。違反すると交付金はもらえなくなってしまいます。
ホームページ制作を外注する場合には、制作会社が補助金については熟知している場合もありますので、事前に補助金について相談してみるのもひとつの方法です。

地方自治体のホームページ作成費用補助金・助成金

小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金と比較すると支給額は少ないものの、地方自治体でもホームページ制作に対しての補助金・助成金の制度があります。
補助金・助成金の制度を実施している自治体はそれほど多くはないものの、事業計画書や運営計画書などを提出しなくても申請できる場合もあるので、利用しやすいという利点もあります。
補助金額は自治体によってまちまちですが、数万円から数十万まで給付されるので、自分の自治体で補助金制度があるかどうか確認してみるといいでしょう。

地方自治体の補助金・助成金を検索できるまとめサイト

それぞれの地方自治体にはさまざまな補助金・助成金制度があります。自分のいる地方自治体のサイトで調べることも可能ですが、各自治体のホームページ制作に関しての補助金・助成金をまとめているサイトもあります。
まずまとめサイトで制度があるかないかを確認して、自治体のサイトへ飛んで調べてみたり、連絡する方が簡単だと思います。

〇J-Net21

引用元:J-Net21ホームページ

J-net21は中小企業や創業予定者を支援するためのポータルサイトで、独立行政法人の中小企業基盤整備機構が運営しています。

補助金・助成金を検索する場合には、「支援情報ヘッドライン」から「補助金・助成金・融資」のカテゴリをクリックして、「地域」「種類」「分野」の項目を選択して検索します。

〇ミラサポplus

引用元:ミラサポplusホームページ

ミラサポは中小企業や小規模事業者向けのサイトで、補助金、給付金の申請や事業のサポートを目的としているサイトです。

国のWebサイトであり、運営は経済産業省(中小企業庁)が行っています。補助金などの支援制度を探したり、経営上の支援者や支援機関を探すこともできます。

わかりやすいサイトになっていて、トップページから「支援制度を探す」をクリックすると、検索することができますし、人気の制度などもわかる便利なサイトです。

〇みんなの助成金

引用元:みんなの助成金ホームページ

「みんなの助成金」は最適な助成金を調べられるサイトで、行政書士、社労士、税理士、会計士、弁護士、中小診断士など、士業の専門家が厳選した助成金制度を調べられるサイトです。

補助金・助成金制度はいろいろな種類がありますが、このサイトでは士業がおすすめの助成金などを掲載しています。ですがこのサイトは無料ではなく、利用には月額1,000円の利用料がかかります。

おわりに

さて、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、地方自治体の補助金・助成金についての説明は以上になります。それぞれ対象者や対象業種、また補助金額などが違いますので、申請する際にはどの制度なら補助金をもらえるのか、自分に合っているのかをご確認ください。

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